2017年3月24日金曜日

第37次東日本大震災被災地訪問レポート

 兵庫県保険医協会は3月19日~20日の2日間、岩手県・宮城県・福島県の被災地を訪問、広川恵一顧問、松岡泰夫評議員、村上博評議員が参加した。声楽家のバイマー・ヤンジン氏が同行し、2か所でミニコンサートを開催した。
 大地震・津波・原発災害から6年を経ての地域の暮らし・健康の課題を学び今後に役立て、情報発信を行うこと、それらを通してこれまでの被災地で関わらせていただいた方々との関係をよりしっかりしたものとすること、ミニコンサートを通じて地域の人々との交流を深め課題を見出す機会とすることを目的に訪問した。

岩手県田野畑村・宝福寺で故岩見ヒサさんの親族を訪問した(3/19)

岩手県宮古市の三陸海風でカキ小屋などを営む山口さんに水産業の復興の現状と課題について伺った(3/19)

岩手県陸前高田市の子ども図書館「ちいさいおうち」で近況を伺った(3/19)

岩手県陸前高田の光照寺では高澤公省住職から、犠牲者を弔うために建立した慰霊館の前でお話を伺った(3/19)


岩手県陸前高田市・普門寺で熊谷光洋住職から被災直後からこれまでの状況などについて伺った(3/19)

宮城県気仙沼市・南郷復興住宅では、村上先生が笑いを取り入れた体操で参加者と交流した(3/19)
南郷復興住宅ではチベット出身の声楽家バイマー・ヤンジンさんのミニコンサートを開催、最後は「ふるさと」を参加者とともに歌った。軽妙なトークと合わせ和やかなコンサートとなった(3/19)

気仙沼市の医療・生活の現状や課題について、医療コーディネーターの村上さんや民生委員の小野さん、自治会の役員の方からお聞きし懇談した(3/19)

福島県南相馬市の大町病院で猪又院長・藤原看護部長・生田看護師、詩人の若松氏と懇談、現在の医療状況やこれからの展望などについてお伺いした(3/20)

福島県内の常磐自動車道沿いの帰還困難区域には、山積みにされた除染後のフレコンバッグにシートがかけられている土地が至る所に見られた(3/20)


福島県楢葉町・法鏡寺の早川住職から福島第一原発事故による避難指示が解除された現状についてお聞きした(3/20)

法鏡寺では、彼岸のお参りの方や早川住職のお話を聞くためお堂に集まった方がヤンジンさんのミニコンサートを楽しんだ(3/20)

震災直後に避難者へ宿泊先を提供した福島県いわき市の旅館新つたにて近況を伺った(3/20)

2017年3月15日水曜日

【談話】東日本大震災6年

【談話】東日本大震災6年

暮らしの復興をこそ優先すべき

兵庫県保険医協会理事長 西山 裕康


 地震、津波、原発事故により、死者1万5894人、行方不明者2561人を出した東日本大震災から6年が経過しました。自死や孤独死を含め、震災関連死者数は3500人を超えて増え続け、いまだに災害は進行中と言えます。
 暮らしの基盤である住居を奪われ、依然として約13万人が応急仮設住宅や避難先で不自由な生活を強いられ、時には不条理な扱いを受けている状況は、速やかに改善しなくてはなりません。
 しかし、災害復興住宅建設や高台集団移転、住民生活の再建・復興は遅れに遅れています。特に、放射能汚染により故郷を追われた福島からの県外「自主避難者」の家賃免除打ち切りは、看過できません。福島県では、約半数の県民が「元のような暮らしができるのは、今から20年より先」と答えています。
 協会は、東日本大震災後、被災地への訪問活動、健診やコンサート開催などを継続し、兵庫県内では福島県外避難者の健診事業に協力し続けています。
 また、阪神・淡路大震災から22年を経た現在も、借り上げ復興公営住宅からの入居者の追い出し問題や、災害援護資金の返済免除問題に取り組んでいます。
 どのような災害であれ、その復興施策では、インフラ投資、新産業育成などといった「創造的復興」ではなく、失われた被災者の健康、生活、仕事の再建が最優先されるべきです。
 これからも「人間の復興」を求め、すべての被災者の最後の一人まで、その命と健康を守り、暮らしと生活の再建に努力していきたいと考えています。
 皆さまのご理解とご協力をお願いします。