県の災害医療コーディネーターを務める上原鳴夫東北大学大学院教授は、「仙台市を除く、宮城県全域の災害医療の調整を行っている。全国から多くの支援をいただき、感謝している。D-MAT、J-MATなど、ここ10年で整備して来た災害医療のシステムがそれなりに機能している。避難所のニーズにも迅速に対応しているが、ニーズが上がってこない場合がある。災害時には①災害そのものによる怪我・病気、②日常診療にアクセスできないことによる慢性疾患の悪化、③避難所などでの新たな疾患へのケアが課題となる。災害時医療から日常診療への切り替えも今後課題となる。コーディネーター役の医師も必要」と述べた。
広川恵一兵庫協会理事は「阪神淡路大震災では、医師のボランティアとともに、看護ボランティアが重要な役割を果たした」など西宮での経験を伝えると、上原教授は「その経験にぜひ学びたい」と応じた。
2011.3.20
兵庫県保険医協会事務局 横山哲朗