2011年3月24日木曜日

すべての被災民間病院機関への公的助成に関する緊急要望書

兵庫協会は3月22日、東日本大震災におけるすべての被災民間医療機関への公的助成に関して、政府・厚労省、兵庫選出国会議員に以下の緊急要請書を送付した。
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東日本大震災におけるすべての被災民間医療機関への
公的助成に関する緊急要望書

兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹

 東日本大震災にたいする復旧・復興に敬意を表します。
 さて、被災者と被災地の地域医療確保は緊急の課題となっています。
 阪神・淡路大震災では、被災医療機関への復旧・復興支援策として、民間病院の救急部門への災害復旧費の国庫補助をはじめ、2次救急輪番群参加病院、医科診療所にたいし、医療施設近代化施設整備事業の拡大適用により230医療機関に94億円余の国庫補助が行われ、被災地の医療機能回復に一定の役割を果たしました。
 しかし、①民間病院への災害復旧費は救急部門にしか適用されず、②医療施設近代化施設整備事業の補助対象は、「政策医療-救急医療参加」「名義一致」を条件に、2次救急病院群輪番制参加病院、在宅輪番、休日当番等出務医療機関には適用されたものの、一人法人医療、産婦人科医療機関、歯科医療機関が除外された結果、全半壊・一部損壊医療機関の1割弱にしか適用されず、不十分な適用でもありました。
 そのため、多くの医療機関が自力再建を余儀なくされ、また、再開を断念した医療機関が生まれるなど、被災住民のいのちと健康を守るうえで十分な役割が果たせませんでした。
 東日本大震災は、阪神・淡路大震災を上回る甚大な被害をもたらしています。阪神・淡路大震災の教訓を生かして、被災者の医療、被災地の地域医療を担うすべての医療機関の速やかな通常機能の回復、再建で、すべての被災者が安心して必要な医療を受けられるよう、すみやかな対応が求められます。
 つきましては、ただちに阪神・淡路大震災を上回る公的助成を実施し、対象は被災したすべての民間医療機関とすることを強く要請します。



1、被災民間医療機関の解体・撤去にたいし公的助成を行うこと。
2、全半壊・一部損壊、流失、焼失した医療機関の復旧、復興のため、法人・個人、病院、有床診療所、無床診療所、歯科医療機関を問わず、すべての被災医療施設、設備にたいし、再建に見合う公的助成を行うこと。
3、長期、無利子の緊急融資を行うこと。