2014年1月25日土曜日

阪神・淡路大震災19年メモリアル行事

経験つなぎ、東北へ−借上住宅追い出し、残る借金...苦しみつづく


1月17日に行われたメモリアル行事のもようを紹介する。

メモリアル集会
〝人間復興〟へたたかいをつなぐ


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300人が阪神の課題と福島の現状を考えた
メモリアル集会(神戸市勤労会館)
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原発事故による福島県民の苦況を語る伊東氏
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母子避難に至った思いを語る森松氏
17日、神戸市勤労会館で「東日本大震災被災地と結ぶ 阪神・淡路大震災19年メモリアル集会」が行われた。協会も参加する阪神・淡路大震災救援・復興県民会議(合志至誠協会名誉理事長が代表委員)の主催。300人が集まり、協会からは、池内春樹理事長、松岡泰夫評議員が参加した。
 主催者あいさつにたった池内理事長は、阪神・淡路の経験を活かし、いまだ仮設住宅暮らしがつづく東日本大震災の被災者の恒久的住宅の建設や、窓口負担免除措置の復活を国に働きかけようと訴えた。
 住江憲勇・保団連会長が、全国災対連を代表して来賓あいさつ。阪神・淡路後の粘り強い運動が被災者生活再建支援法を勝ち取ったとし、「不屈の闘いが東日本大震災被災地をどれだけ勇気づけたか。いのち、健康を取り戻すため、運動をつづけよう」と呼びかけた。
 県民会議の岩田伸彦事務局長が活動報告にたち、被災者不在ですすめられた「創造的復興」に対し、被災者に寄り添い、公的支援実現を求めつづけた、19年間にわたる運動を振り返った上で、現在の課題として、借り上げ公営住宅からの追い出し問題、新長田開発事業、災害特別融資返済問題をあげた。
 県や神戸市などが、民間住宅を借り上げ、被災者に提供する「借り上げ復興住宅」では、高齢を迎えた入居者に対し、20年間の契約期間満了を盾に、県や神戸市は転居を迫っている。被災者の粘り強い運動により、一部で継続入居が可能となったが、希望する全入居者の継続入居が認められるには達していない。
 火災により焼け野原となった長田地区では、住民無視の大型再開発事業が進められた結果、立派なビルが立ち並ぶものの、テナントには空床が目立ち、人口は減り続けている。また、災害援護資金や営業用融資、住宅ローンなどの各種融資返済問題が、いまだに被災者を苦しめている。
 岩田氏は震災復興再開発事業で大もうけしたのは結局ゼネコンをはじめとする大企業であり、企業にやさしく市民に冷たい「復興」であったとし、住民生活の復興を求め今後も運動を継続しようと訴えた。
 東日本大震災被災地からの報告として、原発事故後、福島から大阪に母子避難している森松明希子さんが、小さな子どもを抱える母親として見えない放射線とたたかい、子どもが自由に外遊びできないような状況に避難を決めたとし、「事故の責任を明らかにし、今後の教訓にする」と、原発賠償関西訴訟の原告になる決意をした経緯を涙ながらに語った。
 記念講演では、原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員の伊東達也氏が、原発事故後の福島の現状を語った。
 伊東氏は、原発事故は「最大にして最悪の公害」であり、完全賠償、継続的健診の保障、被ばく低減のための除染促進、強制避難地域での地域の作り直しなど、住民のための復旧・復興実現を求めて運動していくと決意を述べた。