2011年4月1日金曜日

被災者の医療費一部負担免除についての再度の要請書

兵庫協会は4月1日、東日本大震災における被災者の医療費一部負担金免除について、政府・厚労省に以下を要請した。
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東日本大震災における被災者の医療費一部負担金免除についての
再度の要請書

-被災者をふるいわけせず、全被災者を救うこと-

 兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹
 厚生労働省保険局医療課は3月23日づけ事務連絡「東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震による被災者に係る一部負担金等の取扱いについて(その4)」で、免除対象者を、「業務を廃止し、又は休止した旨」「失職し、現在収入がない旨」、福島原発による「避難又は退避を行っている旨」を申し立てた者を追加しました。
これにより、一部負担金免除対象者の範囲が広げられたことを大いに歓迎するものです。しかし、通知内容は巨大災害の実情に、まだまだそぐわない不十分な内容です。
 今回の巨大災害は、大地震と津波、原発が複合した災害であることによって、阪神・淡路大震災とは決定的に異なる状況があります。
「通知」は、「住宅の全半壊、全半焼又はこれに準ずる被災」としておりますが、現時点で、半壊と一部損壊の違いを誰が判定できるのでしょうか。また、被災の範囲が広範囲であるため、個々の住宅の損壊程度だけでは、引き続いて生活できるかどうかの判断はできません。あるいは、明日も仕事ができて収入があると、一体誰が保障してくれるのでしょうか。住宅の見通しも、仕事の見通しも、まったく持てないのが被災地の実態です。
今、被災者をふりわけすることは現実問題として不可能であり、意味がありません。被災者に安心の医療を提供し、復興を支援するという政府の断固とした決意を示すものとして、一部負担金免除を全被災者に実施するようあらためて要請するものです。
なお、一部負担金免除の期間については、5月末としておられますが、阪神・淡路大震災の場合ですら、12月まで免除措置が実施されました。東日本大震災においては、現在、期限を区切ること自体適切ではなく、「当面の間」として、期限を切らない措置が必要です。

<要請項目>
①医療費一部負担金免除を、被災者全員に実施すること
②一部負担金免除期間の「5月末」を撤回し、「当面の間」とすること