2011年5月2日月曜日

現地レポート27 医療機関復帰の補助金を

 保団連の宮城県保険医協会支援隊として、兵庫協会事務局・楠をはじめ、東京、愛知、静岡、岐阜、大阪、鹿児島の各協会と保団連の事務局ら10人が、4月26(火)・27日(水)に宮城協会の被災会員医療機関を訪問した。

 兵庫協会・楠、大阪協会・大谷、鹿児島協会・生川の班は26日、仙台市泉区の16医療機関を訪問した。訪問した全ての医療機関が、すでに診療を再開していた。医療機関によっては、震災前に比べ患者が減少しているところもあった。訪問した泉区内の医療機関は、診療に大きな支障を来すほどではないものの、建物のひび割れなどが目立った。多くの医療機関で、地震によりカルテ棚やレントゲン、コピー機などが倒れ、買い換えを余儀なくされたところも多かった。医療機器、事務機器の修理・買い換えにすでに経費が発生し、また今後発生が見込まれる医療機関が目立った。何人かの会員が、他の会員の安否情報を求めていた。

 27日には、栗原市内の9医療機関を訪問した。訪問した全ての医療機関が診療を再開していた。市内で唯一分娩を扱う産婦人科医院の院長は、「4日間停電したため県外に送った妊婦もいる。余震のときは栗原中央病院に入院させ、出向いて分娩を行った」と話した。栗原中央病院は地域の拠点病院で、現在は分娩を中止。自家発電設備と分娩設備はあるため、臨時でオープンシステムのような対応をとったとのこと。I病院の事務長は、「この辺りの民間病院はうちだけ。介護施設には災害復旧の補助金がおりるのに、民間病院には政策医療をしている病院でないとおりない、なんとかしてほしい。天井がはがれて、使えない入院部屋もある」と語った。訪問したうち、自宅が傾き半壊した会員が2人いた。一人は家に入れないためアパート暮らしで、確実に建て替えが必要。もう一人は、古い家で傾きが大きいため、建て替えの必要性が高いとのこと。それぞれに見舞金を支給した。

2011.4.28 兵庫県保険医協会事務局 楠 真次郎