2011年3月25日金曜日

現地レポート16 宮城協会で医療機関の訪問

 宮城協会が連絡がとれていなかった石巻市の医療機関を訪問した。
 訪問した18医療機関のうち面会出来たのは7人、北上川河口付近の津波に襲われた地域は潮の臭いが満ち、道には船と車が折り重なり泥と瓦礫に埋もれていた。かろうじて建物が残った診療所も床は泥に覆われ、辺りに人の気配はない。
果たして津波に覆われる前に避難することが出来たのか。
 自身の娘さんとお孫さんを亡くされた石巻市医師会の新妻事務局長にお伺いしたところ、約百人の開業医会員のうち一人が亡くなり、一割が再開の目処が立たないという。
 面会出来た小児科の先生は、地下になっている診療所は4日間水没し、電気が通じた今日になって、ようやく自らポンプで汲み上げたとのこと。それでも全てのものが海水と泥にまみれ、数カ月は再開出来ないと話した。
 そのような状況の中、壊滅的な被害を免れた医療機関は「患者さんが待っていると」今週になって部分的に診療を再開している。お会い出来た歯科の先生も、再開するためにライフラインの回復を待ち望んでいた。
 甚大な被害を受けた医療機関の再建、再開に公的支援が急がれる。

2011.3.24
兵庫県保険医協会事務局次長 黒木直明

津波に襲われた地域の惨状