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2011年4月1日金曜日

被災者の定期予防接種の取扱いについての要請書

兵庫協会は4月1日、東日本大震災被災者の定期予防接種の取扱いについて、政府・厚労省に以下を要請した。
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東日本大震災被災者の定期予防接種の
取り扱いについての要請書
 
兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹
  
 大震災への貴職の救援活動へのご尽力に感謝申し上げます。
 さて、厚生労働省健康局結核感染症課が、標記に関して3月16日に事務連絡「東北地方太平洋沖地震に伴う予防接種の取扱について」を発出しています。
 この通知によると、本来居住地以外で予防接種を受ける場合は、居住地の長の「予防接種実施依頼書」を持参することが必要とされていますが、東日本大震災の被災者については、本人の申し出に基づいて実施することができることとしています。
 これは被災地においては、行政機関自体が大きな被害を受け、さらに被災者が全国各地に避難している中では、当然の取扱いであり歓迎するものです。
 しかし、実施に際しての定期予防接種費用については、通常は本人負担又は居住地の長の負担とされており、今回の取扱いについても、費用負担については言及せず各自治体の裁量に任されたものとなっています。
 自治体によっては、すでに当該自治体の公費負担で実施することを決めていますが、全国的に差異が生じる可能性があります。
 極めて困難な状況で避難されている被災者に対して、避難した自治体によって取り扱いが異なることは極めて不合理であり、更なる負担を強いるものとなります。 
 被災者の定期予防接種の取扱いについては、すべての自治体で公費負担により実施することを厚労省として通知されることを強く要請するものです。

被災者の医療費一部負担免除についての再度の要請書

兵庫協会は4月1日、東日本大震災における被災者の医療費一部負担金免除について、政府・厚労省に以下を要請した。
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東日本大震災における被災者の医療費一部負担金免除についての
再度の要請書

-被災者をふるいわけせず、全被災者を救うこと-

 兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹
 厚生労働省保険局医療課は3月23日づけ事務連絡「東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震による被災者に係る一部負担金等の取扱いについて(その4)」で、免除対象者を、「業務を廃止し、又は休止した旨」「失職し、現在収入がない旨」、福島原発による「避難又は退避を行っている旨」を申し立てた者を追加しました。
これにより、一部負担金免除対象者の範囲が広げられたことを大いに歓迎するものです。しかし、通知内容は巨大災害の実情に、まだまだそぐわない不十分な内容です。
 今回の巨大災害は、大地震と津波、原発が複合した災害であることによって、阪神・淡路大震災とは決定的に異なる状況があります。
「通知」は、「住宅の全半壊、全半焼又はこれに準ずる被災」としておりますが、現時点で、半壊と一部損壊の違いを誰が判定できるのでしょうか。また、被災の範囲が広範囲であるため、個々の住宅の損壊程度だけでは、引き続いて生活できるかどうかの判断はできません。あるいは、明日も仕事ができて収入があると、一体誰が保障してくれるのでしょうか。住宅の見通しも、仕事の見通しも、まったく持てないのが被災地の実態です。
今、被災者をふりわけすることは現実問題として不可能であり、意味がありません。被災者に安心の医療を提供し、復興を支援するという政府の断固とした決意を示すものとして、一部負担金免除を全被災者に実施するようあらためて要請するものです。
なお、一部負担金免除の期間については、5月末としておられますが、阪神・淡路大震災の場合ですら、12月まで免除措置が実施されました。東日本大震災においては、現在、期限を区切ること自体適切ではなく、「当面の間」として、期限を切らない措置が必要です。

<要請項目>
①医療費一部負担金免除を、被災者全員に実施すること
②一部負担金免除期間の「5月末」を撤回し、「当面の間」とすること

2011年3月28日月曜日

福島第一原子力発電所に対する声明文

兵庫協会は3月26日、福島第一原子力発電所事故に対する声明文を発表した。
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福島第一原子力発電所事故に対する声明
―避難住民の健康管理に責任ある対応を―

兵庫県保険医協会理事会

3月11日に起こった東日本大震災により、東京電力福島第1原子力発電所は、原子炉の冷却機能が失われ、制御不能となった。地震から2週間以上経つが、事態は改善の見込みがたっていない。原子炉周辺では高濃度の放射線量が観測され、関東地方でも水道水や農産物から基準値以上の放射性物質が検出されており、広範囲・長期間にわたる健康被害、環境汚染が予測される。未曾有の原発事故に対し、専門家の英知を結集して、大量の放射性物質が外部に漏れる事態を防ぐことが緊急に求められている。
こうした中、原発周辺で今も生活している屋内避難者及び避難所等に移った住民に対する健康管理について、政府・東京電力が責任を持って行うよう強く求めるものである。
住民は、プルトニウムの危険性、放射線汚染状況などについて、充分な情報が開示されず、不安を高めている。東京電力、原子力安全保安院を含め、不安に十分応えられるような正確かつ迅速な情報提供が不可欠である。
ヨウ素剤の活用など、住民の被ばく拡大を防止し、被ばく者が適切な治療を受けられるようにせねばならない。また、病院から避難した患者の死亡、屋内待避とされた30km圏内の地域の医療機関に充分な医薬品が届かないといった原発事故による二次被害も起こっている。国民のいのちと健康を守る医療供給体制の構築が必要である。
当会は、阪神・淡路大震災を経験したものとして、2007年の中越沖地震における柏崎・刈羽原子力発電所の放射能漏れ事故の際、原子力発電所の地震対策について抜本的是正を行うこと、原子力施設の防災・安全体制の調査・改善すること、原子力政策の根本的見直すことを求めてきた。
 しかし、国は充分な検証を行わず、プルトニウム・ウラン混合物混合酸化物(MOX)を再利用するプルサーマル発電も開始した。爆発の起きた3号機では、昨年9月からプルサーマル発電が開始されており、燃料棒に含まれるプルトニウムが外部に漏出すると、さらに重大な深刻な影響が及ぼされることとなる。
地震大国日本で、電力を原子力発電に依存しない政策への見直しが必要である。
この立場から、政府に対し、下記事項を要望する。


一、避難による二次被害も含め、住民に必要な検査・医療を提供すること。
一、今回の原発事故に関わるすべての情報を正確かつ迅速に公表すること。
一、国内にある全ての原子力発電所の防災・安全対策を再調査・再検討し、早急に改善策を講じること。
一、原子力発電所に依存しない電力政策へ根本から見直すこと。

2011年3月24日木曜日

すべての被災民間病院機関への公的助成に関する緊急要望書

兵庫協会は3月22日、東日本大震災におけるすべての被災民間医療機関への公的助成に関して、政府・厚労省、兵庫選出国会議員に以下の緊急要請書を送付した。
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東日本大震災におけるすべての被災民間医療機関への
公的助成に関する緊急要望書

兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹

 東日本大震災にたいする復旧・復興に敬意を表します。
 さて、被災者と被災地の地域医療確保は緊急の課題となっています。
 阪神・淡路大震災では、被災医療機関への復旧・復興支援策として、民間病院の救急部門への災害復旧費の国庫補助をはじめ、2次救急輪番群参加病院、医科診療所にたいし、医療施設近代化施設整備事業の拡大適用により230医療機関に94億円余の国庫補助が行われ、被災地の医療機能回復に一定の役割を果たしました。
 しかし、①民間病院への災害復旧費は救急部門にしか適用されず、②医療施設近代化施設整備事業の補助対象は、「政策医療-救急医療参加」「名義一致」を条件に、2次救急病院群輪番制参加病院、在宅輪番、休日当番等出務医療機関には適用されたものの、一人法人医療、産婦人科医療機関、歯科医療機関が除外された結果、全半壊・一部損壊医療機関の1割弱にしか適用されず、不十分な適用でもありました。
 そのため、多くの医療機関が自力再建を余儀なくされ、また、再開を断念した医療機関が生まれるなど、被災住民のいのちと健康を守るうえで十分な役割が果たせませんでした。
 東日本大震災は、阪神・淡路大震災を上回る甚大な被害をもたらしています。阪神・淡路大震災の教訓を生かして、被災者の医療、被災地の地域医療を担うすべての医療機関の速やかな通常機能の回復、再建で、すべての被災者が安心して必要な医療を受けられるよう、すみやかな対応が求められます。
 つきましては、ただちに阪神・淡路大震災を上回る公的助成を実施し、対象は被災したすべての民間医療機関とすることを強く要請します。



1、被災民間医療機関の解体・撤去にたいし公的助成を行うこと。
2、全半壊・一部損壊、流失、焼失した医療機関の復旧、復興のため、法人・個人、病院、有床診療所、無床診療所、歯科医療機関を問わず、すべての被災医療施設、設備にたいし、再建に見合う公的助成を行うこと。
3、長期、無利子の緊急融資を行うこと。

診療報酬等の概算請求の取扱いについての要請書

兵庫協会は3月22日、東日本大震災における診療報酬等の概算請求の取扱いについて、政府・厚労省、兵庫選出国会議員に以下の要請書を送付した。
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東日本大震災における診療報酬等の
概算請求の取扱いについての要請書

兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹

 大震災への貴職の救援活動へのご尽力に感謝申し上げます。
 さて、厚生労働省保険局医療課が3月15日に発出した事務連絡「東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震による被災者に係る一部負担金等の取扱いについて」の中で、「診療報酬の請求等の取扱いについて」は、追って連絡する予定であると通知しています。
 阪神・淡路大震災の際にも同様の事務連絡が1995年2月7日付で発出されていますが、その内容は、「平成7年1月診療分に係る診療報酬等の請求等については、…被災により診療録を焼失又は棄損した場合、あるいは地震発生直後における診療行為については十分に把握が困難である場合」として、「1月16日以前の診療等分については概算による請求を行うこと」、「1月17日以降に診療等を行ったときは…原則として通常の手続による請求を行うこと。ただし、患者数等から診療実態が平成17年1月16日までと大きく変動していない旨を届け出たものにあっては、1ヶ月分を通じて概算による請求を行うことができるものである」としています。
 しかし、今回の東日本大震災においては、阪神・淡路大震災の際と同様の内容であればきわめて不十分です。津波等によって診療録等の流失・棄損などの被害を被った医療機関だけではなく、診療録等の棄損等の直接的な被害はないにも関わらず、福島第一原子力発電所の未曾有の大事故による規制等で診療が出来なくなった医療機関、周辺住民が避難したため3月以降も通常の診療を続けることが出来なくなった医療機関も多数存在します。
 これらを鑑み、3月分以降の診療報酬の概算請求の取扱いを通知する場合は、診療録等を流失や棄損したか否かに関わらず、通常診療が不能に陥った被災地域のすべての医療機関を対象とすることを強く要請するものです。

2011年3月17日木曜日

被災者の療費一部負担金免除についての要請書

兵庫協会は3月16日、被災者の医療費一部負担金の取り扱いについての厚労省通知に対し、政府・厚労省、兵庫選出国会議員に以下の要請書を送付。阪神大震災の教訓も踏まえ、すべての被災者が必要な医療を受けられるよう要望した。

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東日本大震災における被災者の医療費一部負担金免除についての要請書
-被災者をふるいわけせず、全被災者の命を救うこと-


兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹

 厚生労働省保険局医療課は3月15日、「東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震による被災者に係る一部負担金等の取扱いについて」とする都道府県等に対する事務連絡文書を通知しました。しかし、通知内容は巨大災害の実情にそぐわない不十分な内容です。
 「通知」の趣旨は、被災者の医療費一部負担金等について「猶予」するというものですが、その条件として①住家の全半壊、全焼又はこれに準ずる被災をした旨、②主たる生計維持者が死亡し又は重篤な傷病を負った旨、のいずれかの申し立てをした者であること、としています。
 しかし、巨大災害においては、そうした分類は意味がありません。津波に襲われた家がどうなっているか、一体誰が確認できるでしょうか。今も安否不明者が15000人を数え、家族が離れ離れになっているのに、「主たる生計維持者」がどうなっているのか、幼子に一体誰が教えてくれるというのでしょうか。
 あの1995年1月17日の阪神淡路大震災の折も、厚生省(当時)が最初に出した1月20日付け通知は、今回とまったく同じ内容でした。しかし、このようなふるいわけは現場ではまったく意味がなく、医療現場では一部負担金なしでの医療が行われました。そして、その一ヵ月半後の3月3日、同省は「免除対象者」の要件として、「社保」「国保」「老人」別に整理し、「社保」では「市町村民税が非課税である場合」を追加、「国保」の場合は、「世帯主又は組合員が業務を廃止又は休止した者」「失職し、現在収入が無い者」「その他上記の各号に準ずる者」とされ、「老人」ではさらに「一部負担金を支払うことが困難になるおそれがあると認められる特別な事情がある者」が追加されました。こうして一部負担金免除の範囲を追認する形で広げられ、多くの被災者が医療を受けられたのです。
 今回の厚労省通知は、阪神淡路大震災の教訓を生かすことなく、再び、被災者をふるいわけし、狭い範囲に限定しようとするものです。
 私たちは阪神淡路大震災を経験した開業医師・歯科医師の団体として、政府・厚労省が阪神淡路大震災の教訓を生かして、すべての被災者が必要な医療を受けられるよう、災害救助法を適用し、医療費の一部負担金免除を直ちに実施することを強く要請するものです。